新着情報

ホテルマン人生 様々な人とつながり、喜びを分かち合う

お二人がセレクトした曲が流れ、ドアオープン。
新郎新婦が入場。
ざわめき、笑顔!! 拍手。
新郎新婦、ご出席の皆様に、できる限りのサービスを提供し、喜んでもらいたい。

プロ野球選手たちがビール瓶を持って振っている。
喜びでいっぱいの笑顔。
「優勝おめでとう!!」
一斉にビールの泡が飛び散る。

「様々なお客様と喜びを共有し、私たちは更なるサービスの向上に努めてきました。
皆様にご満足いただき、笑顔になっていただくために・・・」
「これがホテルマンとしての仕事の冥利に尽きます」と、青木幸司さん。


(提供:パレスホテル立川)

1 新型コロナウイルス感染下のホテル

平日のホテルはこんなに静かなのか。
1階のロビーには人が出入りしていたが、3階の宴会用のフロア―には人がいない。
青木さんは語る。

新型コロナウイルス感染症の影響は、徐々に収まりつつあります。
土日の利用が増えてきている状況ですが、平日は空いていることが多くあります。

まだまだ苦労が続いていると、宴会の支配人である青木さんは語る。

新型コロナウイルス感染症の拡大により、ホテルに人がいなくなった。
いらっしゃるお客様の喜ぶ顔、様々な人とのつながりを生きがいとしてきた仲間たちが辞めていったつらい日々。
2020年〜2021年は本当に苦しかった。
全くの未知の環境でどうすれば良いのか。
2022年から少し先が見えてきました。

私たちもつらかったが、結婚式を予定していた新郎新婦はもっとつらかっただろうと思います。
その落胆を私たちはどのようにフォローするのか。
時間をかけて、心のケアも大切でした。
お喜びの日をどのように迎えるか、一緒に考えていきました。

2 お客様の喜びは、私たちの喜び

青木さんはホテルの仕事での喜びを語る。

私たちは、お客様の喜び、楽しむ姿がなによりうれしいです。
この幸せの時を皆様は私たちに望み、それに私たちは応える。
結婚式や様々な式典・宴会等、新型コロナウイルスがまん延する前は、忙しい日々でした。

派手な祝勝会もありました。
ビールをかけ合うあの優勝チームの祝勝会。
プロ野球チームの11球団が当ホテルを利用して、試合に臨んでいます。
そして、優勝の時、在京ではないチームが、祝勝会をしました。
じゅうたんを敷いた宴会場ではできないので、地下の駐車場をご利用いただきました。
その日や翌日はマスコミ関係を中心に、大変な賑わいでした。


祝勝会準備中の地下駐車場の様子(提供:パレスホテル立川)

3 なぜホテルに

青木さんは、なぜホテルに就職することになったのでしょうか。

私は、バドミントンを中学からやっていました。
高校では、明星高校として初めて、関東大会に出場しました。
明星大学に入学する前に、大学のバドミントン部の春合宿に呼ばれて参加し、春の大会を目指しました。
そのバドミントンまっしぐらの中で、高校時代の顧問の先生を見て、教員になりたいと考え、大学では、教職課程を履修しました。
明星中学校での教育実習では、教育実習生であり、放課後になるとバドミントン部の練習を手伝う日々でもありました。

でも、就職は自分の思うとおりにはなりませんでした。
教育実習が就活スタートの時期と重なったため、就職活動は遅れてスタートしました。
就職課へ相談に行き、窓口の職員の方と方向を考えました。
そこで、大手コーヒーショップチェーン店でのアルバイトの経験を生かすことにしました。
自宅の最寄り駅のコーヒーショップでオープニングスタッフとして採用され、約2年間弱、続けておりました。
業界をサービス業に絞り込み、そして、ホテルを目指すことにしました。
幾つかの候補の中に、パレスホテル大宮がありました。
パレスホテル大宮での会社説明会に出席した際に、新しく立川にパレスホテルができるとの情報を得て、パレスホテル立川を希望することとなりました。
パレスホテル立川は1994年10月13日にオープンし、私はその半年後に2期生として就職しました。

4 入社時、そして今を思う

入社時のことを青木さんは思う。

1年目、宴会会場係で鍛えられ、そして来館する方々の喜びを知りました。
しかし、勤務時間が長くつらかったことを今でも覚えております。
また、携わるスタッフが多く、縦横のコミュニケーションのためにも、名前と担当などを覚えることが重要だと感じて、必死に努力して覚えました。
教育実習で生徒たちの名前を覚えた苦労やアルバイトで培ったコミュニケーション力が役に立ちました。
そして、パレスホテルの誇りとサービス精神を身につけたと思います。
当ホテルは、近隣のホテルに比べて、高額料金をいただいていますが、それに見合うサービスを十分に提供してこられたことが、現在につながっていると思っております。
立川の地で「食のパレス」の伝統を・・・。

その後、セールス係(営業)を経験しました。
地元に密着し、愛されるホテルを目指し、新規開拓を行いました。
地元には、母校の明星大学もあります。
ホテルでの式典、或いは大学内でのケータリングもお手伝いさせていただきました。

新規開拓は自分の努力だけでは進みません。
人と人とのつながりのおかげであります。
学生時代の友人や、同窓の方々とのつながりも、本当に有り難かったです。
感謝しています。
多摩地区での明星ブランド、大学時代の授業以外の活動も、今の自分の糧になっていると実感しております。

新型コロナウイルス感染拡大は、人の集まる場所には大変な痛手で、思いもよらぬことが起きました。
この困難の中、自分を支えてくれたのは、周りの方々や家族です。
また、バドミントンで鍛えた心と身体、レシーブの踏ん張りが自分を支えているのかもしれません。
今が変わる時です。
様々な知識を取り入れて、新たなホテルの在り方を考えたいです。
起死回生のスマッシュを決めたい(笑)。

5 おわりに

青木さんは、自己を振り返り、ホテルの将来を思う。

思えば、学生時代にもっと本を読んでおけばよかったと思っています。
本を読みたい今、老眼になり、読むのがつらい。
若い人たちには、目と頭が若いうちに本を読んでほしい。
私も、老眼鏡をかけながら学び、アフターコロナ・ウィズコロナを考えていきたい。
先ずは、モチベーションをあげて、新しいホテルの在り方を考えたい。
それには、若い人たちの力が必要です。
現場で若手を鍛えながら、一緒にホテルの未来を創りたい。

様々な人とつながり、喜びを分かち合いたい。
お客様の喜ぶ姿を取り戻したい。
それは皆様の健康あってこそであります。
皆様のご来館をお待ちしています。

青木幸司(パレスホテル立川宴会支配人)
第28期人文学部経済学科卒業

(明星会広報部 JN)

母校支援
知りたい
支部情報
明星会について